棒術

 

★技術その他は、中学生以上向けに解説してあります。

 

現在は、60cmの太短棒を使用し、顔面攻撃無しで稽古をしています。

当たっても痛くない棒を使いますので、安全に稽古できます。

とても人気の高い稽古で、笑顔で稽古する子供が多数見られます。当道場自慢の稽古プログラムです。


 

 

武道は、全て護身術が根本となっています。

 

護身術で大切なことは、危険な状況に遭遇しないように心がける事ですが、どうしても避けられぬ時には、戦わなくてはなりません。

その時、素手で戦うのは最終手段で、まずは手近に有るものを武器として使うべきです。

 

身近なもので代表的なものは傘ですが、定規や携帯電話も使い方によっては十分身を守る武器となりえます。

これらの代用武器には、素手と微妙に違う使用方法や使うコツ、距離感、タイミングがあるものです。

 

剣道は日本刀の刀法が基本ですが、棒術では、刃物でなく硬い棒状の物を想定して稽古します。

代用武器の使用に応用できるような技術を安全に稽古します。

 


 

【初心者の場合】

入門したら、まずはあれこれ考えずに棒を振るってみて楽しむことです。

先に当てれば勝ちです。シンプルです。

 

足の先から頭まで、どこに当ててもかまいません。(現在、頭部は無しで稽古しています)

 

相打ちは、両方負けです。

どちらかが先に当てるか、共に相打ちになるかで、1回の勝負は終わりです。

 

数秒から数10秒で勝負がつきます。

疲れが無ければ、すぐ2本目の勝負に入ります。

疲れたら少し休んでもかまいません。

 

無理せず、楽しく稽古しましょう。難しいことは、何一つありません。

当てれば喜び、当てられれば悔しがり、楽しく汗を流しましょう。

そして、数ヶ月経つうちに奥の深さ、さらなる楽しさに気付くはずです。

 

そこまでくれば、あなたも武道家の仲間入りです。

 


 

お互いに自由に打突を行う試合稽古では、安全を考え柔らかな棒を使用しますが、護身術である以上、硬い棒であると想定して稽古する必要があります。

 

【ルール】

●顔面と首への打突は禁止

●顔面と首以外の、体のどの部分でも当たれば1本となる。

ただし、硬い棒であったら有効と考えられないような軽い打突は無効。

●相打ちは双方負け

●元打ちは無効

元打ちとは、棒の根元で打つことで、さらに踏み込みすぎで拳で当ててしまうこともある。

これは、大変危険で試合稽古の中で唯一怪我をする可能性があるので注意が必要です。

●相手の棒を取り上げても良い。

●棒を落としたら負けです。

●転んだら負けです。ただし、すぐ立ち上がり続行可能なら負けにはなりません。

●棒を持っていない方の手で、相手の髪の毛を触れば勝ち。

 

【マナー】

●相手の技が決まったときは、相手に知らせましょう。微妙なときは、そのまま続行してかまいません。

●あまりにも綺麗に技をもらったら、心から「いただきました」とお礼を言い自分の技術向上の参考にします。

●どちらかの1本が決まったり、相打ちになったら、いったん離れて、次の勝負を始めます。

その際、相手が、構えるまで始めてはいけません。

 


 

棒術は、他の武道やスポーツに比べ体力に頼るところが少ないのが特徴です。

通常、1本勝負を行うと、早ければ数秒遅くても数十秒で勝負がつきます。

体力的なスタミナは、あまり必要無く、それよりも、相手との距離を読んだり、相手の出方や出る瞬間を読んだりという、経験や技術が大切になります。

 

 

これらは、年齢を重ねても衰えず、徐々に向上していきます。

また、打突の技術は、棒を使用するため無駄な動きやオーバーアクションを排除する事が大切で、体力より技術の占める割合が多く、やはり年齢による衰えは少ないと考えられます。

 

棒術は、体力の衰えを感じずに生涯を通じ修行する事のできる優れた武道であるといえます。

 


 

 

空手は、大変優れた護身武道です。

しかし、空手の極め技は、顔面を打ったり、金的を蹴ったりなど大変危険で実際に当てるわけにはいきません。

そこで、寸前で止めたり、型として稽古する事になります。

 

ところが、棒術は、ほとんど禁止事項が無く全くのフルコンタクトです。(専用面使用の場合)

柔らかい稽古棒のため安全に当てる事ができ、自分の技の是非が判断できます。

動きが悪ければ、あっという間に打突を入れられます。

 

周りで見ている者には判らなくても稽古してるもの同士は、もし、練習用の柔らかい棒でなければ、

「あっ、今、腕を折られた」

「頭をカスった」

「指を潰された」

と、真剣勝負の疑似体験ができます。

そして、次回までに色々と反省し考え工夫して自分の技術を向上させていけるのです。

 

練習でたまたま上手く打突が入れば、なぜ上手くいったかを熟考して、反復練習し自分の技術としていけます。

棒術には、常に自分の身体や命を守ることを考えながら稽古し、命をかけた戦いの疑似体験ができる

優れた武術性があります。

 


 

 

【試合稽古の心得】

●試合稽古は、相手がいなければできません。相手に敬意を払い、感謝の気持ちを忘れてはいけません。

稽古相手は、敵ではなく仲間ですから大切にするべきです。

●棒術は、空手の動きが基本になっています。

 

先人達は、空手と武器術は同じ理屈で動いていると語っていますが、稽古を重ねていくと納得させられます。

 

●棒術の試合稽古では、しばしば身体が触れるほどの接近戦になります。

その際、相手の棒を持つ手を摑んで征して、投げや突き蹴りへの移行できる体勢にもちこむ事も視野に入れておきます。

もちろん、突き蹴り投げは禁止ですが、空手修行者は、棒術から空手への連携も意識しておく事も大切です。